一般質問から
ドクターヘリの夜間運航について
本年10月より長崎県との共同運航を開始し、従来以上に救急救命医療の迅速化が図られた。
しかし、ドクターヘリは悪天候や夜間の場合は運航できません。埼玉県では今年7月28日より埼玉県所有の防災ヘリを活用して夜間運航に限って運用していて、実績もすでに7件ほどあると聞いております。
佐賀県も夜間運航を実施する必要があると思いますが、本県には防災ヘリはありません。たとえば陸上自衛隊目達原駐屯地のヘリを活用することも考えられると思います。どのようにお考えか?
県(本部長)の答弁
平成15年9月から福岡県とのドクターヘリの共同利用を開始し、本年10月からは長崎県との共同利用を含め、二機体制で運用し、救命率の向上に寄与してきたところであります。
一方で、ドクターヘリについては、現状では安全性の確保の観点から有視界飛行が可能な日中のみの運用に限られているため、夜間の搬送体制としては、本土は救急車、離党については海上タクシーなどの船舶を利用しています。また、悪天候で海上タクシーなどが利用できない場合は自衛隊や海上保安庁のヘリコプターや船舶によって離党からの救急搬送体制を整備しています。
本県は地理的条件に恵まれていて長時間の救急搬送を要するケースは少ないものの、ドクターヘリの導入が死亡について39%の減少効果をもたらすとの国の推計もあることから、夜間においてもドクターヘリの運航を行うことができれば理想であります。しかし、夜間運航の場合、単に夜間照明設備を整備するだけでなく、救急医等医療従事者やパイロットなどのスタッフの確保とその費用、ドクターヘリを24時間運航する場合、日中のみの運航の場合の経費1億7000万円の約二倍以上の経費がかかる、といった課題があります。
とはいえ、救命率の一層の向上を図るためにドクターヘリの夜間運航の実現は将来的な課題として、長崎県や福岡県と意見交換するところから始めたいと考えております。
多額の経費がかかるので、財政厳しい現状を考えると実現にこぎつけるのはなかなか困難であることは理解できます。しかし、将来的には県独自のヘリを持つことも含めて更なる救命率の向上を目指していかなければならないことは言うまでもありません。目達原駐屯地のヘリ部隊に支援を求めることも一つの手段としてあり得ることだと思います。夜間運航に実現に向けて努力したいと思います。