九州新幹線佐賀空港特別委員会の行政視察で本日は、青森市に伺いました。
青森空港とその関連でアクセス道路の整備状況を視察させていただきました。
青森空港は今年の4月に滑走路を、それまでの2500メートルから3000メートルに延長して第3種A級空港として更なる利便性を高めております。また、濃霧対策として「CAT-Ⅲa」といって自動的に着陸できる装置を30億円かけて設置し、欠航率を低くして定時運行の維持に努めようとされておりました。この装置は地方自治体運営の空港としては初のものということで、日本国内でも釧路、熊本、成田についで4番目とか。ただし佐賀空港は海抜が低いため霧の心配はあまり無く、この装置は不要のようです。ただ、滑走路の件は、佐賀空港も現在2000メートルなので、延長は懸案事項です。2000メートルと3000メートルでは離着陸できる飛行機の種類に大きな違いがあり、お客様を搭乗させる座席数が大きく違ってくるため、長いほうが望ましいのは当然であります。しかし、そこは佐賀県の財布の中身とご相談ということでしょう。青森空港も2500メートルから500メートル延長するのに、88億円かかっております。佐賀の場合は今の滑走路をそのまま延長できればよいのですが、別に滑走路を設けなければならないとなれば、青森空港の比ではない経費を見込まなければならないでしょう。実際のところどうなのか、帰ったら早速調査をいたします。
空港ターミナル前には810台分の立体駐車場を建設中でしたし、アクセス道路も空港周辺に高速道路が3本。国道・県道も空港開設いらい18年かけてしっかり整備され、現在は最後の事業として県道のバイパス化がまもなく供用開始を迎えるそうです。佐賀空港も佐賀市内からはアクセスできるのですが、その周辺地域からはまだまだです。鳥栖地区などは、やっぱり近くに福岡空港というとても便利な空港があるため、自然と足はそちらに向いてしまいます。堤防道路を一日も早く整備して空港までのアクセスをよくしなければよほどのことが無い限り佐賀空港へは足は向けないでしょう。佐賀空港を使うために仕事をしているのではないのですから、佐賀県民は全員佐賀空港を使わなければならないなどという、ばかげたことをいう前に利用したくなるような環境整備が先でしょう。
青森空港も昭和62年に新設されたときは、佐賀空港と同じ第3種C級で2000メートルの滑走路でありました。しかし、その後はアクセス道路等の周辺整備をやって環境を整えて搭乗率をアップさせて、路線も開拓させています。現在国内5路線、国際線2路線が就航しています。ただ利用してくださいというだけでなく、段取りよく努力していけば、何とかなるものだなぁと思いました。ただ、東北新幹線との共存は大変なようです。盛岡から八戸まで延長された東北新幹線によって、青森空港の利用者は17万人減少したそうです。あと5年したら八戸から青森まで延長されます。そのとき空港利用者は83000人減ると試算されていました。空港収入も5000万減だそうです。このことの考え方を聞いてみると、「それはそれ。利用者が利用したいほうを利用すればよい。空港を利用する人が快適に利用できるように準備するだけ。敵対視せず共存を図っていければと思う。」
なるほどそうだろう。利用するのは県民・国民であって無理に利用させようとしても利用するはずがない。そこは、お互いに利用しやすいようにしておいて、選択は利用者がすればよいだけのこと。そこに強制的な意思が働いても、結果的にはそっぽを向かれるだけなのだろう。
とても勉強になりました。
明日は、八戸と盛岡にいって鉄道関連の視察をいたします。