今日は朝から、地元藤木町の区長さんや藤木獅子舞保存会の方々と長崎県諫早市の旧小長井町へ。
実は、藤木町獅子舞の鉦が安政五年製作のものなど三つ、小長井町田原地区に存在することが12年前の平成16年11月17日に確認されていました。これは先の大戦中に、金属供出で国に差し出していたもので、なぜそれが小長井町に行ったのかは不明ですが、それ以来戦後はずっと小長井町田原地区に保管されていました。そして12年前の存在確認後からこれまで、藤木町の獅子舞が奉納されるたびに、小長井町まで出向いてその鉦を借りてきていました。いつか藤木町に戻ってくることができれば、と私も思っていましたので、小長井町出身の中村県議に相談したところ、間に入って取り次いでいただき、先月の田原地区、新田原地区の総会においてようやく藤木町に引き渡されることを決めていただきました。今日がその引き渡し式で藤木町からも現在使用中の鉦を三つ、小長井町田原地区へお渡しいたしました。
引き渡し式では、お互いに鉦を披露し、その後引き渡し。実に72年ぶりの帰郷を果たすことになります。
供出した鉦が、戦争の武器や道具に使われることなく、再び五穀豊穣と無病息災を願う鉦として使用されることに、嬉しさがこみ上げてくるとともに平和の尊さを感じずにはおれません。藤木町も鳥栖空襲で38名もの犠牲者をだしましたが、鉦が帰ってくることで藤木町の戦争が終わったといえなくもないのではないかと思います。
今年の秋には、また獅子舞が奉納されます。その時も当然、今日引き渡された鉦が使用されます。その時は五穀豊穣、無病息災を祈るとともに世界平和を願う、獅子奉納舞であってほしいと思います。