瀬川さんというアマチュア棋士に対して行われているプロテスト。今日がその第5局目。今日勝つとプロテスト合格となる。第1局目から応援していたが、本日見事に勝利をつかんで、晴れてプロへの道を歩くこととなった。
報道などをみていると、中にはこのプロテストを実施することに反対している棋士もいらっしゃるという。まぁ分からないでもない。でも私は、門戸が広がってよかったのではないかと思う。
現在は、年齢制限があって奨励会三段リーグを26歳までに2位以内で通過しないとプロにはなれない。そのまま即、奨励会退会となる。先日発売の「将棋世界12月号」にも、その奨励会を年齢制限で退会する三段の記事が掲載されていた。読んでみて、違う世界に居る自分が胸につまされる思いをしたくらいだから、当の本人にはさぞかし残酷なことだったろう。夢を実現させることが叶わずその道を進むことができなくなるのだから無念であったろうと思う。
これまでにも何人の三段がそうやって涙をのんだことだろう。プロを目指す者の内、8割は辞めていく世界。勝負の世界であるし、それがルールだから仕方ないといえば仕方ないこと。しかし、今日の出来事は、そんな悔しい思いをした人たちにとっては、無念を晴らしてくれた朗報となったのだろうか?
日本将棋連盟も、井の中の蛙にならずに済んだのではないだろうか?今の制度そのものは世界の中から見たらどう写るのだろう?保守的?それとも伝統的な世界?囲碁のように海外の人たちが将棋を楽しむ姿はあまり見かけない。日本のトップイコール世界のトップ。デでもそれは、こんなに世界のボーダーがなくなりつつあるなかでは、井の中の蛙といえなくはないだろうか?敬愛する羽生4冠や谷川17世名人が世界の強豪相手に勝っていく姿も見てみたいものだ。だから今回の日本将棋連携の判断は結果的には良い判断を下したと思う。連盟の一支部の顧問でアマ3段ごときが言うことではないだろうが、でも将棋を愛する一国民の目からみれば門戸を広げた今回の判断は、後につながっていけば、きっと将棋も囲碁やチェスを凌いで世界的な娯楽になる!はずだ...とにもかくにも結果を出してくれた瀬川さん。プロ相手に5局戦って3勝2敗だからりっぱだ。これまでにもプロ相手に通算17勝7敗。「プロ殺しの瀬川」の異名をもつらしい。こういう実力の持ち主がプロになりたいというのだから、チャンスを与えずしてなんとする。他に打つ手はない。最善手だろう。
第6局目は指されるのかな?